若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

考えるな

 


金曜日に起こった嫌なことは持ち帰らない。つまり、難航して上司に進め方を聞いた仕事は月曜日にほとんど記憶から消えてしまってる。

 


記憶を頼りに手持ちの資料やネット、書き残したメモ、会社のサーバ内を探し回る。蘇る記憶。当日の理解よりも深いところで納得する。なんと上司のミスにさえ気付いたのだ。これが成長だろう。

 


出来上がった図面を上司に見せる。てんでダメである。上司の言葉を曲解したぼくは現実に再現することのできない超テクメカを作り出していた。

 


申し訳なさで声は小さくなる。軽く調べて上司に自分の考えが正しいか擦り合わせておけばよかった。自分の話した教えが部下に全く届いてない上司の悲しみは相当のものだったようで、

 


ぼくと同じぐらい小さな、それでいてはっきりとした声で

 


「考えるな。おれが言ったことだけをやれ」

 


と言った。

 


ぼくは自分の席に戻りながらも以前に上司から言われた別の言葉を思い出した。

 


「自分で考えろ。他力本願すぎる。設計士として図面に名前を描いてんだろ。」

 

 

 

キーボードを叩いてパソコンのスリープモードを解きながら長めに息を吐く。考えても上司の本当の思いは見えてこずにぼくは言われた通りに考えるのをやめた。