若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

退職を申し出るきっかけ

 

 


分水嶺だ。ひたひたである。むしろすこしぐらいこぼれている。こぼし酒というか居酒屋でうれしい、こぼした分も升に入れてくれるタイプの日本酒状態。つまりはこぼれている。あれぐらいやめたい気持ちがおさまらない。

 


ついに、今朝は寝起きに転職サイトを開いていた。「人付き合いが苦手な方向け。黙々と作業をしてみませんか」とある。服屋さんで、自分に着られるために置かれているのかと錯覚する瞬間のような心持ちが寝起きにきた。1日働いて怒られずに済んだ日がいつからないだろうか。黙々と働きたい。

 


次なる一歩は退職へのスタートダッシュになる。入社して5年目。5年間抱き続けていたやめたい気持ちが加速する。数日前から上司に退職を持ちかけて、そこからなにを話すかを頭に浮かべている。出社して頭に浮いている会話を再現してもよいが、今日は一段と冷える。腹痛持ちにとって寒さは生きづらさに直結する。荷物を自席においてそのまま個室に駆け込む。

 


そこで本日やらなければいけない仕事に気づくのだ。正確には寝起きから気づいていたが、個室ではじめて直視した。まじまじとみると本日、本来なら昨日、融通してもらって本日の11時までの仕事だ。これを処理する前に退職願いなんて風情がないね。退職を申し出て、話し込んだ場合に、この仕事の期限が迫って自分の首を絞めかねない。つまりは攻め入るは今ではないのである。

 


これがこの日3度続いた。時刻は18時であった。仕事の遅れにより、残業を申し出るときに上司に怒られたが、申し訳なさから謝罪をしておわった。退職を切り出すタイミングがわからない。

 


わからなさに頭をやられて軽めの仕事を3時間ほどして帰った。コンビニで蒙古タンメンとストゼロと、冷たいまま食べるチキン南蛮と、明日の朝の食パンを買った。

 


ストゼロを飲みながら今月の賞与をみる。わたしの苦しみは記憶のないカードの引き落としに消えた。

 


打算のない恋愛ドラマをみながら酔っ払った。

 


ドラマに笑い、今朝みた求人を見返す。どうやら期間工の求人だったようだ。詳細の勤務地住所は載っておらず県より先の情報がない。それでも9%のアルコールはわたしに幸福をもたらしいていた。明日なにかの拍子に退職を告げられるとよい。アルコールに決意を曇らされた目の前に、6枚切りの食パンだけが動かずにいた。