靴の替え時
木下古栗作「サピエンス前戯」を読みました。
女性器を舐めるロボットを作ったCEOの話。
初対面の男性のオナニーを見ることになった話。
古典文学をエロパロディする仕事を受けた話。
と下ネタの長編3本立ての小説になっております。
どのお話も仕事の転機を迎えているのが共通していて、
「今の仕事を続けるか」「仕事に嫌気がさして休職中」
「金銭面の問題で副業をするか」と悩んでいる。
その中で1人の主人公が仕事の勤続年数を靴に例えている文がありました。
「何十年も同じ革靴を丁寧に手入れして履き続ける人もいれ ば、数年ごとに買い換える人もいる。そういうことだ。実際のところ、スニーカー勤務が当たり前にでもなればそれが時代精神となり、ひいては後者の割合が増え、そのスパンが短くなるかもしれない。」
本当にスニーカーを履いて勤務するような緩い時代になれば、勤続年数も減っていくだろう。
しかし、僕はスニーカーであっても同じ靴を履き潰してしまいます(流石に何十年も履くことはありませんが)。ボロボロになるまで靴を履きますが、愛着のあるのは履き始めた頃だけ。そこからは惰性で深く考えずに足を突っ込む。お金があったらもっと軽い気持ちで新しい靴を試してみるかもしれない。ただ、僕は隙間から石が入ってきても、すぐに雨が染み込んでしまってもその靴を履き続けるしかないのだ。