若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

物理のスタンド

 

 


高校の文理選択は非常に迷った。得意科目は現代文で好きな教科は物理だった。

 


物理の先生は生徒から人気の先生で、物理法則の説明にはジョジョガンダムを題材にしていた。ジョジョの5部に「クラフトワーク」というスタンドが出てくる。物体を固定する能力だ。能力で人を動けなくして、これまた能力で固定した弾丸を撃ち込む。人を動けなくしてからすぐに撃てばいい気もするが、念をいれて銃弾も固定する。固定した銃弾を後から指でトントンと叩いてエネルギーを加える。この描写を使ってエネルギー保存則を説明していた。

 


大好きな物理を取り扱う仕事に就きたかったぼくは理系クラスを選択して工学部のある大学に進学した。今ではメーカーで設計士をしている。

 


異常を感じとったのは、大学に進学した後あたりであろうか。物理の時間に感じた面白さを一切感じなかったのである。「どれほど力が加われば材料が壊れるのか」であったり、「図面における実線や破線の意味合い」に全く興味が惹かれなかった。それよりも教授から隠れて読む漫画の方が面白かった。とりわけジョジョの6部が。

 


高校のあの時。面白かったのは物理でも物理の先生でもなかった。ジョジョであり、クラフトワークであり、荒木飛呂彦である。物理のスタンドの術中にハマって将来の選択を誤った。