若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

仕事ができないことを意識した日

 

 


ぼくは仕事ができない。割と早めに内定を頂いていた自分がまさか仕事ができないとは思わなかった。しかし、今思えば入社前から仕事のできない片鱗は現れていたのである。

 


内定の数ヶ月後。グループの親会社を含めての説明会があった。名前と大学名を言って自己紹介をしていく。おそらく親会社の社員たちの顔合わせがメインだったようでぼくら子会社社員と親会社社員では話終わった後のリアクションが目に見えて違った。ぼくの爆笑就活ズッコケ話は故意に滑らされて空振りに終わる。ぼくに話術がなかったというわけでは決してない。決して。

 


そのあとに立食形式で昼食があった。自分の会社の人間以外は初対面で、自分の会社も弱小子会社なので人数も少なくその集団のマイノリティであった。親会社の社員たちは既に一度顔を合わせているようで挨拶は「久しぶり」である。ぼくのような「はじめまして」からはじめる人間から見ると大きなアドバンテージだった。徐々に出来上がっていく人の輪。ぼくは昼食に同席していた会社の人事部のテーブルに「なかなか馴染めませんでした」とおちゃらけてみたが、慰めではなく心配の表情をされた。目線を逸らすと同僚が完全なアウェーでなんの違和感もなく溶け込んでいた。

 


仕事においてなによりも大切なのはやはりコミュニケーション能力であろう。なんの能力も持っていなかったらなおさら。分からないことがあって聞きにいっても何を話しているか分からない。そんな時に変に気を遣って分かったフリをして席に戻ってしまう。分かったとしても話の終わり方が分からずになんだか失礼に思われてしまうような不自然な話の切り方をしてしまうことがある。あの居心地の悪さを思うと、上司の席への足も遠のき散々な仕事ぶりでまた怒られるのである。

 


思えば、あの説明会の後、同期でボーリングに行ったが、全くストライクが取れずに同僚に気を使われ、飲み屋に行けば悪酔をして「上司に怒られる飲み方をしている」と指摘されたのであった。