若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

ネットを有線にした話

 


ぼくの住んでるマンションは無料のWi-Fiが利用できる。料金が家賃に含まれていてネット代はかからない。このWi-Fiが使い物にならないぐらい遅い。ドラマを再生しても画質は悪くて読み込みマークが出たままドラマの視聴を諦めることもあった。

 


無料のネットがあるマンションだが、掲示板にフレッツ光の広告が貼られている。「回線が遅い」と、クレームがあったのだろう。家賃と別に3000円かかるが、回線速度が向上する。意を決して契約をした。

 


3000円は大金だ。回線はいくらか速くなった気がする。

 


ある日、ケーブルテレビが「ネット回線のテストをしたいので空いてる日を書き込んでくれ」と手紙が来た。ぼくらは3000円も払ってるんだから、このマンションに住むネット弱者たちと比べれば格段に早いはずだ。

 


嫌々ながらも断る選択肢が手紙に用意されておらずテストを受けることになった。

 


「お金払ってまで契約するレベルの回線速度じゃないですよ笑」

 

 

 

フレッツの回線に3000円の価値はなかった。ネット会社は人気なほど遅くなる。ネットは1つのパイから同じ会社を契約する人たちで分け合う。この分け合う人が増えるほど遅くなるのだ。フレッツは業界No.1の人気企業。鳥にあげるエサぐらいのカスみたいなパイしか残っていなかった。人気者も大変である。

 


ケーブルテレビの社員さんの見事なセールストークにより契約。家に押しかけてくるほどの熱意を持った社員さんがいる会社である。ネット速度は格段に速くなった。ネットのライブ配信であっても美麗な映像で遅延なく見れる。かつてドラマの視聴を諦めたのが大昔のようだ。

 


しかし、問題が残る。ゲームである。これは距離の問題だろうか。部屋を1つ隔てたぼくの部屋のPS4のネット速度は改善されない。ゲームのキャラクターを走らせると足踏みをして数歩戻る。いくら走っても進んで戻って、結局同じ道を走り続けるのだ。「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部にてポルナレフDIOの時止め能力によって階段が上がれなくなるのと全く一緒だ。瞬間移動なんてちゃちなもんじゃない。

 


そこで用意したのが有線ケーブル。無線LANで電波を飛ばすのをやめてコードで繋いだ。(欲張って30mの線を買った)そして無線と有線で通信速度の比較をしてみる。10倍違った。ぼくのキャラクターは同じ地面を踏み続けることはなくなり銃を撃てば真っ直ぐ敵の頭を貫いた。ゲームのスコアがみるみる向上したのである。かつてのぼくはポルナレフであった。しかし、有線ケーブルを手にしたぼくは違う。プッチ神父である。ぼくは走り出した。どこにも行けなかった体は前に進み、他のプレイヤーを追い越した。宇宙は一巡した。