若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

無印良品の靴に感じた異変

 

 


靴を3足持っている。1つは普段使いする靴。1つはお出かけ用。1つはスーツに合わせる革靴だ。夏になると、ここにサンダルが入ってきたり、運動用の靴もあるが、基本はこの3足である。数がかわることは恐らくない。すると、靴を購入するのは今履いているものを履き潰してからになる。この、靴の買うタイミングがよく分からない(少林サッカーみたいに靴底がめくれてからではないことは確信している)。靴の中に小石が入った時か、雨で靴が異様に染みた時だろうか。そんな状態で「家に帰ったら靴底を調べてみよう」と思っても、靴を脱ぎ終わった忘れている。

 


そんなこんなで今の普段使いの靴は5年ほど履いた。水を、野球部の時に使っていた水溜りを吸収するスポンジのように吸う。これで雨上がりに練習も可能だ。近くのショッピングモールを訪れて、まずはGUに向かった。無難な靴が2,500円で買えるのでGUはすごい。第1候補として保留にし、次はユニクロに行く。こちらは2,900円でGUより少し値段が上がったが、見た目はGUの方が好みだ。その後に、いつもはあまり利用しない無印良品にきてみた。無難なファッションといえば、ここも当てはまるだろう。遠目からみても落ち着いたデザインの靴、値段は2,900円。この日、みた中で1番いい。試しに履いてみると今まで感じたことのない奇妙な感覚に襲われた。履き心地がいいのは確かだが、この感覚を説明できない。しかし、未購入の商品で歩き回るほど度胸はなかった。ぼくはレジの、前の列に加わった。

 


そのままショッピングモールを周りながら、無印良品の紙袋から出ているレシートを見てみると、合計欄に書いてある数字が決定的に違う。3,900円。なぜだ。靴に括り付けられたタグにも3,900円。これは数字のマジックである。ぼんやりとユニクロと同じ値段帯と思わせておいてちょっぴり高い。

 


ショックを受けたものの、靴はちゃっと朝に下ろした(夜の間に靴を下ろしてはいけないと躾けられた)。靴に足を入れると昨日の不思議な体験が蘇る。数歩前に進むと異変に気がついた。浮いてるのである。いや、浮遊感に似た軽さが足元にある。どうやら靴底、特にかかとのクッションがふわふわである。厚めに作られたソールは目線を上げて、地面を踏む度に柔らかくぼくを弾く。月面調査隊のように近所を彷徨った。旗があれば公園に突き刺していただろう。無印には1,000円騙された。その1,000円で無重力状態が訪れた。