若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

三島由紀夫「美しい星」の人間の美質

 

 


三島由紀夫さんの「美しい星」を読みました。本編に触れながら感想をお話しするので、ネタバレにご注意ください。

 


本作はある日、「自分が宇宙人である」と認識した家族が本当に宇宙人なのか、宇宙人であるとしたら人間とはなにか、人間をどうすべきか、について考えていく作品になります。

 


彼ら家族は宇宙人であるかのように描写されていますが、殆ど宇宙人らしい能力はなく、最後までその正体は明かされません。彼らにとって人間はどんな存在なのか。人間の特徴を描いたのが以下の文になります。

 

 

 

「気まぐれこそ人間が天から得た美質で、時折人間が演じる気まぐれには、たしかに天の最も甘美なものの片鱗がうかがわれる。それは整然たる宇宙法則が時折洩らす吐息のようなもの、許容された詞のようなもので、それが遠い宇宙から人間に投影されたのだ。人間どもの宗教の用語を借りれば、人間の中の唯一つの天使的特質といえるだろう」

 


人生において、「なんでこんな事をしてしまったんだろう」と後になって思う事がある。大抵は後悔を含むが、稀に幸運を引き起こすこともある。ルーティーンの中で生きれば出力される出来事は想像を超えてこない。

 


半年ほど前にはじめて脱出ゲームに参加した。楽しめたかどうかは別にして、その後の飲み会はゲームの話で盛り上がった。気まぐれには自分を超えた大きな意思が働いているように感じる。ビギナーズラックとはつまりこの力のことではないだろうか。