若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

坂口安吾「白痴」による他人と繋がる意味

 

 


坂口安吾さんの「白痴」を読みました。

ネタバレありです。御理解ください。

 

 

 

 


そもそも「白痴」がどういった症状かよく分かっていませんが、Wikipediaによると知識障害のことのようです。

お隣に住む白痴の女性を自分の家に匿うようになる話になります。

 


この話で気になったのが

 


「違っているといえば、気違いの方が常人よりも本質的に慎み深いぐらいのもので、彼等は本質的に人目を怖れており、私生活の主要な部分は特別細心の注意を払って他人から絶縁しようと腐心している」

 


といった部分。ほとんどぼくと同じなのである。学生時代の本当に仲のいい人としか腹を割って話せない。不用意にお子さんや女性に話すと通報されるような気がしてしまうし、職場で上司に話しかけても「仕事できねーヤツが世間話なんかしてんじゃねーよ」とか思われてしまうんじゃないかと心配になる。そのくせネットには誰も興味のない自分の話を多少、義務感を感じながらあげ続けている。

 


この症状が悪化すると外に出るのがおっくうになる。コロナに関わらず自粛しているのだ。会社にも行きたくない。

 


「ああ会社を休むとこの煙草がなくなるのだな、と考えるのであった」

 


1番の楽しみがお酒なのにそれも失われつつある。嗜好品の為には社会と繋がり続けないといけない。