若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

エヴァキャスト男女による完結作との向き合い方

 


今でこそスマホアプリやユーチューバー同士の"コラボ"が盛んになったが、エヴァンゲリオンはその走りだった気がする。

 

 

 

庵野さんがNHKのプロフェッショナルに出演した際に、命よりも作品が第一だと語っていた。どこかで、いい作品をつくるためにはお金がいるんです、ともインタビューに答えていた。だからパチンコや飲食店とコラボして予算を集めた。その結果、物語の衝撃と相まって何年もエヴァンゲリオンは認知され続けてきたのだろう。しかし『シンエヴァンゲリオンオールナイトニッポン』には驚かされた。

 


番組は劇中の印象的なセリフが次々と流れてからはじまった。音声だけのためか予告映像よりも本編に踏み込んだ内容が含まれていたので、あの感動が蘇った。そこからは声優さんから、録音されたメッセージが届けられて、スタジオにいる主要スタッフはリスナーの質問に答えたり、鶴巻和哉監督と前田真宏監督がリモート出演する構成であった。

 

 

 

 

 

 

 


ここからはシンエヴァンゲリオンのネタバレになる可能性があるのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンエヴァンゲリオンの受け取り方が観客によってちがったようにキャストにとっても感じ方は様々であった。面白かったのはその受け取り方が男女で大別されていた点である。男性キャストは口々に「まだ終わった気がしない」と次回作を匂わせるようなコメントを残した。女性キャストは「完結作に関われて幸せでした」とあくまでこれが最後だ、というスタンスだ。レイ役の林原めぐみさんは男性キャストに「もう終わったの」と諭していた。シンジ役の緒方恵美さんは男の子の役だったためか男性キャストの想いと近かったようだ。

 


ラジオ内で「男女の作品との向き合い方が男女の恋愛観に近いのかもしれない」という話になった。男性は過去の恋愛データを別フォルダに残したまま新たな恋愛をはじめて、女性は過去のデータを上書きしていく。

 


エヴァンゲリオンに携わった人たちの働き方にもこの考え方は影響されているように感じる。レイ役の林原めぐみさんはレイと、ポケモンのムサシを演じ分けている。あの人の演じ分けはデータを都度書き換えているとしか思えないほど多彩である。ラジオの放送中はレイに近い声でずっと飲み会の話をしていて素敵だった。一方の男性は庵野さんが思い浮かんだ。庵野さんはプロフェッショナルのインタビューで「なにをつくってもエヴァ(のよう)になってしまう」と答えていた。エヴァンゲリオンのメッセージはどの作品も共通しているように感じるが、それぞれが違った味わいでどの作品も大いにぼくらを楽しませてくれた。

 


ぼくはずっと過去の恋愛(或いは創作物)に囚われてしまうのはどこか女々しい行為だと思っていたが違うらしい。女性は思ったよりも男性で、男性は思ったよりも女性である。