ないことの豊かさ
情熱大陸でプロキャンパーの伊澤直人さんが特集されていた。伊澤さんはキャンプに持ち込む道具が少なく、一般の人が10kgのところ伊澤さんは5、6kgである。ほぼ半分。そこにテントは含まれていない。キャンプに必須かと思われたテントでさえ持っていかない。布を木に縛って雨を凌ぐ。米を炊くには空き缶を使う。火の調節ができないので缶を火から遠ざけたり近づけて調節する。
外で飲む酒は美味い。そう知っていてもなかなかキャンプに踏み切れずにいた。だからぼくは友人に誘われるまでキャンプの経験がほぼなかった。ソロキャンプをしてもいいのだが道具を揃えるのに躊躇してしまうのである。1回したきりでキャンプに行かなくなってしまうかもしれないし、失敗したくないという想いがある。
伊澤さんのキャンプをみていると道具の心配なんてどうでもよかった気がしてくる。なくても工夫次第でキャンプを楽しめるのだ。
伊澤さんは「同じ焚き火はない」という。それはヒトがずっと自然に順応してきたということだろう。型がないからこそ順応できて豊かになる。