若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

会社とホラーゲーム

 


会社にいると叫びたくなる時がある。口はガムテープで止められたように感じるが自由に動かせる。なのに声はでない。ただ感情だけが鞭を打たれる。「仕事ができる」というマウントが鞭として実体を持ち、ぼくに降りかかる。痛みで声が出そうになるが出ない。

 


これが怖かった。ぼくの手には何も握られてないのに、鞭がしなっていることが。殴りかかろうとしても鞭が飛んでくるだけで近づけない。怖くて仕方なかった。

 


しかし、TEDのスピーチで「興奮と恐怖は同じものである」と学んだ。どちらも心拍数の上昇である。同じ現象を好意的に捉えるか、批判的に捉えるかの違いしかない。実家で自慰をしていた時の興奮は強かった。絶対にバレない状況でやる無味乾燥とした行為よりも、車の音に反応してカーテンを開けた、あの時の駆け引きの方が色気を持っていた。

 


或いは恐怖自体を好意的にみることもできる。新作ゲームを買って深夜に眠気と戦いながらやったホラーゲームよりも真っ昼間のオフィスの方が怖い。数千円払って本当に怖い良作なのか心配するよりも、確実に怖がらせてくれる上司がいる。しかも恐怖に堪えると賞金が貰える。そういった意味ではお金の駆け引きもあるのでギャンブル性も高い。どんどん仕事が好意的にみえてきた。失敗を恐れていたが、更なる恐怖を体験するためには高難易度のゲームをしなければならない。仮にうまくこなせてしまえば悪役たちから賞賛される。怖がらせようとしてた悪人が、である。そう思えばなにも失うものはない。恐怖エンタメも高難易度ゲームも楽しめる。ならばぼくには鞭など必要ない。手にしてしまえば怖さ半減で