若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

『ファルコン&ウィンターソルジャー』の現実の力

 


公園を散歩していると「左から失礼」されることが多々ある(キャプテンアメリカウィンターソルジャー参照)。『失礼』されること自体はなんてことないのだが、彼らのマスクをしてない率が高い。外は密になりづらいからマスクをしなくてもよい、という判断だろうか。ぼくは周りの目が気になってそんな大胆な行動はできない。無礼者たちに怒りが湧くのは世間の目が気にならないメンタリティの強さを羨んでいるからかもしれない。

 


ファルコンはどちらかというとぼく側の人間のようだ。キャプテンアメリカから譲り受けた盾に自分は見合うのか、世間は盾を持つことを認めてくれるのか、そんな想いに苦しめられていた。

 

 

 

ここからはドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』のネタバレをしていきます。ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直近のマーベル作品『ワンダヴィジョン』はどんな世界観かもハッキリとしないファンタジーな作品だった。そんな世界に魅了されて、「一体なにが起きていて、これからどうなっていくのか」を楽しみに金曜日を待って、最新話を観ると次の金曜日が待ちきれなかった。

 


『ファルコン&ウィンターソルジャー』はワンダヴィジョンとは打って変わってしんどくなるほどリアルである。初回はファルコンが実家の家業の経営が傾いてしまった為、銀行に融資のお願いをしに行くが断られる。世界を救ったヒーローたちの1人なのにである。彼が白人ではないから断られたのか、キャプテンアメリカだったら融資を受けられたのか、銀行員がヒーローに贔屓するような人間ではなかったからなのか、それはわからないが、世界のヒーローが信用を得られずにお金を貸して貰えないのは観ていて堪える。フィクションなんだから気前良くお金を貸して「楽しく暮らしましたとさ」みたいに話を持っていけばいいのにフィクションでも現実を見せつけられてしまう。現実の辛さを感じさせられるシーンの中で、キャプテンアメリカの盾がデスクに立てかけられていて、盾だけが浮いて見えた。

 


敵対する勢力は難民である。非道な行為に出ているものの、それをしなければ生きていけないほど彼らは追い込まれていた。ここも現実をみているようであった。国に属している人たちは安い賃金で働く難民たちによって職を奪われるし、働くのをやめさせられた難民は行き場を無くしてしまう。過去には彼らを国から追いやった悪人が居ただろうが現代にはそんなハッキリした悪人はいない。しかし人口が増えればわかりやすい悪人がいた時よりも事態は重くなるのである。

 


アメリカをはじめ、世界で分断が起きている。おそらくサノスのような所謂、悪人は現実にいない。サノスでさえそこまで的外れな考えの持ち主ではないと思ってしまう。海外では問題に対してスピーディーにアクションを起こす。ワクチンが人々に行き渡るのも驚くほど早かった。

 


日本は『シンゴジラ』の政治家たちのようにすぐに回答を出そうとはしない。回答者が責任を取らされるからである。しかしそんな自己防衛の意識がゆっくりと考える時間を生んで、物事を突飛な事態に持ち込ませずに済んでいるのかもしれない。我々のスローな保守思想が分断を起こさずに平和を保っているのではないだろうか。

 


本作も現実問題に対して「ゆっくり考えよう」という、答えのような答えじゃないような結論を出した。それはそれほど世界が複雑化してしまった故かもしれない。しかし時間をたっぷりつかってお互いを見つめ合えば安易な暴力など起こらないのではないだろうか。拳を振り上げる前に握った拳の醜さに気づくべきなのである。