若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

新たなビジネス。負けホスト

 


ぼくが1番不幸を感じる瞬間は今まで楽しんでいたものの熱量が下がっていることに気づいたときだ。まとまった時間が確保できたら脊髄反射の如くゲーム機の電源をつけていたが、自由につかえる時間が減ってしまったことでゲームに必要な時間の膨大さに気づかされたのである。

 


例えば物語を追うタイプのゲームであれば、再起動時に「前何してたっけ?」と記憶を辿ることからはじまり、酷いと「この冒険の先になにが待ち受けていたんだろうか?」と当初の目的を忘れていたりする。というわけでここ5年ほどでエンドロールをみたゲームは「ゼルダの伝説」と「ブラッドボーン」と「last of us 2」の3本である。意外と多い気がしたが「趣味がゲーム」というには少ないだろう。

 


ここまでプレイするゲームが減ったのはそれぞれのゲームのやり込み要素が増えすぎてしまったことと、対戦ゲームの手軽な熱狂によるものだと思う。後者について詳しく説明していくと対戦ゲームは1人用のゲームに比べてプレイ時間が短い。1人用のゲームは世界を救うまでに何十時間もかかるが対戦ゲームは、ゲームによるものの、多めに見積もっても1時間あれば勝敗が下される。且つ、プログラミングされた敵ではなくどこかで生きている人間を打ち負かすことができるのだ。ゲームというテイを借りて人より優れていると誇示できて、ゲーム側もぼくを華やかなBGMで祭りあげてくれる(なんて気持ちがいいんだろう)。

 


しかし勝敗はすぐに決されるものの、勝つためにはスポーツ同様、人よりも時間を注がなければならない(これもeスポーツたる所以だろうか)。人気のゲームには必ずプロゲーマーさんや、そのゲームのプレイ動画を配信するYouTuberさんがいる。そしてその人たちの動画をみている視聴者たちは例に漏れず強い。ゲームだけやってればいいわけではなく上手い人たちのお手本動画を見ながら自分のプレイを磨いていかなければならない。大学生のときは世界で闘うプロゲーマーさんの試合をみて熱くなったし、コメント欄でその熱さを他の視聴者さんたちと共有できた。

 


ここまでは全て時間がある人たちが楽しめることである。本当に心からゲームがすきであらゆる時間をゲームに捧げることができるのならば、これまで通り楽しめていただろう。しかし、アップデートの度に強いキャラクターがかわったり、有効な戦法が生み出されたらその戦法を打ち破る新たな戦法が模索される、そんなサイクルを追い続けるモチベーションがなくなってしまった。限られた時間で闘っても最適な闘い方がわからずに悶々としながらゲームの電源を消す。

 


1日中ゲームをしていた人間がゲームを楽しめなくなると、定年後のお父さんのように、なにをするでもなく横になりながらテレビを観てしまう。CMになるとスマホを構ってCMが明けてもそれに気づかずにスマホを構い続けて、気づいたら観ていた番組が終わっているのである。趣味がなくなると、遊んでいるときも他の遊びを考えて「あっちの方が楽しいのかな」と思い、心から楽しめない。

 


だから友人から麻雀を誘われたときはうれしかった。ぼくはお酒がすきで麻雀は「飲みながらできる娯楽」として認識しており、元々興味があった。はじめてみるとなるほど面白い。初心者でも運で経験者に勝つことができて、知識が増えれば勝率も上がる。同時に視聴をはじめたアニメ「アカギ」の面白さも手伝ってどんどん麻雀にのめり込んでいった。

 


ぼくがやっているのは雀魂というスマホアプリで、強さによって格付けがなされているのだが、例の友人に教えて貰いながら、最近「初心者」を脱した。他の友人を誘ってゲームをしてもトップをとれることが増えてきた。

 


さて、ここからビジネスの話をしよう。友人の1人は麻雀で負けると「○○くん!もう一回、もう一回!」と懇願してくる。その姿はとんねるずさんの「スポーツ王は俺だ」のリアル野球盤で泣きの一回を土下座しながら懇願するプロ野球選手のようでぼくは石橋さんよろしく「しょーがねーなぁ、もう一回だけだぞ」と言いながら「準備完了ボタン」を押す。すぐ押す。なんなら、役が出来て上がれたときよりもこのボタンを押す瞬間の方が気持ちがいい。

 


貪欲に勝利を目指すプロゲーマーさんはたしかにカッコいい。しかし、コロナ禍で接待飲み会などが自粛されている今、どこかでヨイショされる場があってもいいではないか。オンラインの場でゲストに気持ちよく勝たせて、申し訳なさそうに「もう一回やってくれないですか?」とお伺いを立てる負けホスト。こんな人をぼくと同じく必要としている人がきっといる。世の経営者の皆様、経営は任せます。アイデア料だけ払ってください。マネーゲームで勝利を手にしましょう。