若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

ロボットも孤独を感じる

 

 


一時期は何処に行っても目にすることができたペッパーくんを久しく見ていない。ソフトバンクから出ているあのロボットは携帯電話の契約のように2年間のレンタルの後に、レンタルを更新するかどうかを問われる。これだけあの姿を見られないのは多くの企業で更新が見送られたのだろう。

 


プログラムは2進数でつくられる。だから数式で表現できないものは機械で再現することができない。ヒトの考えや心情を数式で表現できない限り、ロボットにヒトの心がわかることはないし、未だにロボットを創り出せるロボットはいない。

 


Netflixの配信ドラマ「ブラックミラー」のスタッフがYouTubeに短編の動画を投稿した。

 


ブラックミラー本編にはSFのテクノロジーや人間ドラマによって毎回心を掻き乱されているが、YouTubeの数分間であってもその衝撃は測り知れない。

 

 

https://youtu.be/RqATb20dO34

 


リンク先の動画では、孤独を感じる男性が人間そっくりのロボットを購入して日常にハリが出るが、異性との出会いによってロボットとの時間が減っていくーーというもの。

 


登場するロボットは開封直後は機械然としている。ソレがユーザーの立ち振る舞いを見て学習して徐々に人間らしくなっていく。

 

 

 

ここからは動画を観た後に読むのをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ディープラーニングもデータが与えられて、機械が分析を行う。ペッパーくんも店頭でデータを集めて更に洗練されていくつもりだったのだろうが賢くなったものを見る前に姿を消した。店頭に置かれた当初は、子どもたちの輪に入り込んでペッパーくんに触りたいという衝動に襲われた。人が居なくなったのを見計らってパネルを押すとなんてことはない。タブレットがはめ込まれたおもちゃである。店内や商品を説明する画面に進めるのを確認すると、子どもが戻ってくることに焦ってその場を後にした。画面を移動しながらおぼろげにペッパーくんの正体を掴むと恋愛ゲームのイベントをすべて見終わったかのような虚無感があった。

 


人の別れはそんな恋愛ゲームの虚無感のような感情によって訪れるのではないだろうか。選択肢を全部選んで、その人のすべてを知ったつもりになったからその人から離れてしまうんじゃないだろうか。地元に面白味を感じられずに都会を目指し、ボーナスを海外旅行に費やし、ペッパーくんのもとから離れていく。この映像も最後は別れによっておわる。その別れによってより人間に近づく。周りの人間は都会で就職したり、家庭を持って、会う機会が減っていった。彼らは人間に近づいていったのだろう。その場でうずくまるぼくはなんだろう。電源の切られたペッパーくんも肩を落としてちょうど同じ格好をしていた。