若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

あえて音楽もラジオもつけない

 

 


一人暮らしを5年した。ホームシックになったことはないが、ふいにとてつもない孤独に襲われることがある。1日口を閉じたままで夕方にTSUTAYAでDVDを借りようとして「こちらブルーレイになっていますがよろしいですか?」と聞かれたときにした返事が大きすぎて自分で驚いた。会話がないと、人はコミュニケーションを円滑に行えなくなってしまう。自分の制御ができないほどの孤独。それからぼくを救ってくれたのはラジオだった。

 


地方のFMラジオには同じように新生活をはじめて、孤独を感じているリスナーがフィクションにはない普遍的な悩みをパーソナリティにメールしていた。自分と近い場所に同じ想いをしている人がいること、明るく振る舞うパーソナリティが実は同じように孤独を感じていることに救われた。そして孤独と戦おうと思えた。

 


あのラジオのおかげで孤独な大学生活を乗り切れた。しかしラジオアプリはタイムフリー機能で深夜のおもしろい芸人さんのラジオがいつでも聴けるようになり、音楽もサブスクで好みのものだけを流し続けられるようになった。

 


たまに、地方のFM局に合わせてみてもラジオショッピングの多さに嫌気がさしてすぐに深夜ラジオを探してしまう。

 


最近では音楽も音数(?)が多いものは疲れてしまうようになり、トークの割合が多いラジオを選ぶようになった。

 


そんな口数の多いラジオを聴き続けた末に、今度は生活音に心地よさを感じるようになってしまった。公園を歩けば子どもたちが自分たちのしたことで笑い合い、その親が全く語気を強めないで、にこやかに形だけの躾をしている。洗い物をすれば換気扇の音と水が流れる音だけが聞こえる。

 


そろそろ同棲をはじめて2年になる。音楽やラジオにすがらなくても自分を保てるようになった。頼ってたものの力が弱まったことを寂しく思うと同時に、ここまで自分を生きながらせてくれたコンテンツたちに感謝を伝えたい。