若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

『生きてるだけで愛』の気にしなくてもいいこと

 

 


働きはじめてからだろうか。やたらと邦画が響く。現実逃避するために映画を観てるわけだが、現実の自分から離れ過ぎていて映画の世界まで逃げることができない。「どうしても宇宙に行きたい」とか「自分の力が制御できないほど強くて困る」とか思わない。自分の世界と地続きでギリギリありそうでない邦画がだいすきだ。その点『生きてるだけで愛』。この記事をを読んでいる方全員が少なくともタイトルの半分は世界観が当てはまっている。

 


主演の趣里さんはうつ病の役です。過眠症の症状も出て日常生活を送ることが困難だ。趣里さんは菅田将暉さんと付き合っていて同棲してますが、彼も仕事が忙しくて趣里さんのケアができない。そんな中、菅田さんの元カノ役で仲里依紗さんが登場します。仲さんは「彼とヨリを戻したいから1人でも生活できるように仕事をしろ」と趣里さんに持ち掛けますー。

 

 

 

ここからこの作品のネタバレをしていくのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


うつ病には症状に「重い/軽い」があります。軽いうつ病は「うつ状態」。重くなると「うつ病」と呼ばれるようになります。「うつ状態」であれば、仕事を続けていても問題なくむしろ「一時の感情」で仕事を辞めたり「早まった行動をするな」といわれます。程度に差はあれど周りの人にはその深刻度が伝わりません。もっと言ったら目にうつる人がうつ病かどうかなんて分からないし、ガンであったとしてもぼくらと、かわらない格好をしていたら気づかない。

 


例え、相手の症状がわかったとして、なにをしたらいいのだろうか。ネットでその人にどんなことをすればいいかを学ぶことはできる。しかし自分はその人と全く同じ状態というわけではなく、完璧にその人を把握できるわけではない。体育のプールの時間に体の不調で見学していた女子生徒は本当に体調が悪かったかもしれないし、実は泳げないだけだったのかもしれない。

 


しかし自分のことは見透かされているような気がする。劣っている部分や大人に対する恐れまで。だから家に篭って人の目に触れないようにする。それでもこんな自分と添い遂げ続けなければならない。自分の欠点に気づきながら。そして行動で取り返そうとする。いい行いをすれば自分の劣っている部分が隠されるような気がするから。

 


『そんなことで心配しなくていいよ』

 


この作品に出てきたセリフだ。

ぼくも同じことを言われたことがある。

上司との面談で「残業中の先輩に、わからないことを聞くのは(自分は)早い時間で帰るのに申し訳ない」と話したら全く同じことを言われた。残業してるのはその人の責任だから気にする必要はない、と言われた。上司の認識はそうかもしれないが、残業しないと追いつかないくらい切羽詰まっているのに初歩的なお伺いをして少しも不快感を抱かない、というと嘘ではないだろうか。ぼくだってはやく帰ってご飯が食べたい。

 


欠点や失敗をカバーしようとして生きている。だから、ずっとぼくと一緒にいてくれる人を不思議に思ってしまう。劇中で菅田さんに乱暴な態度を繰り返してしまう趣里さん。なぜ自分を見捨てずに一緒に居てくれるのか疑問に思った趣里さんは「自分のどこがすきか」を聞いた。

 

 

 

「酔っ払って走ってるときのスカートの揺れ方が綺麗だった」

 

 

 

自分の知らない、あるいは気づいていない部分が人に美しく見えているかもしれない。「生きてるだけで愛」。これを読んでいる方、全員がタイトルと100%一致している。生きてるだけで美しい。まだ美しいところが誰かに見つかっていない方。なにか新しいことに挑戦して、自分の新しい部分を開拓していくのはどうでしょうか。それこそスカートを履いて走ってみるとか。