若手社員の逃げ場

仕事で辛いことから現実逃避して、気持ちの休まることを書きたいです。

Netflix「ヒーローキッズ」アベンジャーズ がまだやってないこと

 

 


ダークナイト以降のアメコミ映画は悪意に満ちている。いかにリアルな悪を描くか。現実の社会問題に切り込み、人類が立ち向かえるかを問う。考えさせられるような深さがあるがスルッと周回できるような軽さはないのかもしれない。少し体調を整えてこれまでの作品を思い出すような心構えがいる。そういった面でNetflixのオリジナル映画「ヒーローキッズ」は気軽に観られて、親の役割について考えるきっかけになるかもしれません。

 

 

 

 


この映画の主役はヒーローの子どもたち。ヒーローパワーは遺伝するようで(目元が似たり、両親と同じ口調で喋ったりしてしまうように)似たパワーを受け継いで産まれてくる。しかし小学生かそこらの子どもたちに闘わせるようなことはさせられない。親世代の大人たちが前線に立って地球を守っている。そこへタコ型の宇宙人が襲来。大人ヒーローたちは全滅してしまう。避難のためにヒーロー基地に集められる子どもたち。しかし宇宙人は基地にまで攻め込んできてーー。

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレありでお話しするのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもたちの能力はトリッキーだ。変顔しかできない子。あらゆる能力を持ってるが1つも使いこなせない子。能力さえない子。それは精神的に成熟してないからでもあるが、トリッキー過ぎる能力を使うといい意味で危機感がない。アベンジャーズ のピーターパーカー(スパイダーマン)は高校生だが、高校生にもなると責任感が出てきて真面目に戦闘に参加するが、子どもたちには地球を守ろうという強い意志は感じられず、イタズラを楽しんでいるようにさえ思える。この映画は子どもの純粋さでヒーローを再定義し直している。監督は「スパイキッズ」のロバートロドリゲスで、あのテイストの軽さとノリのよさは健在だ。戦い慣れていく子どもたちが悪役を圧倒する様は、天下一武道で暴れる悟空のようでコミカルだ。

 


アンパンマンのように安心して深く考えずに楽しめるが、それだけではない。子どもたちは窮地に立たされるても両親は手助けすることができない。だが、子どもたちは勝手に仲良くなって、勝手に成長していく。

 


この間ネットでみたが反抗期は「お子さんが親に対する葛藤や人生に対する矛盾を抱えて起こる」そうです。だから反抗期のお子さんには過干渉しないことがよいそうだ。

 


ぼくが最後に両親にキツく怒られたのは中学2年生の頃だったろうか。急に祖母から電話がかかってきて「携帯買ってやろうか?」と持ちかけられた。最初は断っていたが祖母はなかなか引き下がらない。もちろんぼくも携帯が欲しかったので最後には祖母の家からタクシーに乗ってソフトバンクショップに向かっていた。しかし、祖母は携帯の契約の仕方を理解しておらず契約には通帳と印鑑が必要なことが分かり、再度タクシーで家と携帯ショップを往復し、ぼくはiPhone3GSを手に入れた。

 


携帯の月額料金は当時のぼくのお小遣いを遥かに凌駕していたし、両親に内緒で高額の端末を手にしたので金額に応じた罪悪感を抱いた。しかし当時のiPhoneは最初にiTunesにアクセスしてデータを同期する必要があった。パソコンはリビングにしかなく、見慣れない端末は母親に即刻見つかってしまった。問い詰められるぼく。罪悪感からぼくはなにも口にすることなく家を飛び出した。だが夜もふけ、気温は下がり、お腹は減ってくる。ぼくは気を紛らわせるためにiPhoneでエロ漫画を読みながら遠回りをして家へと帰った。

 


家に帰ると母親は父親に事情を説明しており、「隠しているものを出せ」と言う。だが、エロ漫画が表示されている携帯を中学生が見せられるわけはないのだ。必死に抵抗するぼく。父は「おばあちゃんを騙してまでなにを買ったか見せろッ」と顔を真っ赤にしてキレた。怖気付いたぼくはiPhoneを手渡した。父が画面を開くと裸の女性が写されていた。「オレは悲しい」と言って父の怒りは鎮まった。

 


風呂から出ると「今の携帯はあんなことが出来るのか」と関心しながらスマホを返してくれた。

 


それ以来、主にネットから大人の知識をぼくは得ていった。

 

 

 

ヒーローキッズの子どもたちが1人で、ちょっとずつ大人になっていく姿を見てぼくは泣きそうになった。幼少期からヒーローとしての振舞いをみていた子どもたちはあるべきヒーローのあるべき姿に育っていく。親を凌駕する勢いで。スケベな父親をみて育ったぼくはテクノロジーを駆使してもっとスケベな大人となった。次世代は前世代を上回っていく。