宮崎智之「平熱のまま、この世界に熱狂したい」の生き残る弱さ
宮崎智之さんの「平熱のまま、この世界に熱狂したい」を読みました。
フリーライター宮崎智之さんのエッセイ本になります。2回の入院を繰り返して禁酒に取り組んでいる方だそうです。
先日、チャンネル登録しているYouTuberさんがエッセイ本を出版しました。SNSでバズれば一般人もインフルエンサーになる。手の中の端末は新たな才能をどんどん見つけてくる。誰もが何者かになれて、そのチャンスが与えられている時代だ。
何者でもないぼくらはどうなるか。
『自然の脅威にさらされ続け、また、差別や偏見や権力欲がたくさんの血を流した。それでも歩みを進め、多大な犠牲をはらいながらも、徐々に「弱いやつ」が生きられる世の中に変化していった。』
世の中は良くなっていき、弱くても生きながらえるようになった。時間だけ与えられてなにもできずに手の中の才能に感動して、そのあとは自分の無力さに悲しくなる。
そしてぼくも何者かになろうとして酒を飲む。肝臓が痛くなるほど。
同僚は酒を飲まない人たちばかりだ。なんでアルコールなしで生きていけるんだ。何者なんだ。